朝イチで涙腺にきた、息子の手紙
母の日の朝、小6の息子が、もじもじしながら手紙をくれた。
「ママへ。いつもありがとう。ごはん、ほんとにおいしいよ。これからも、よろしくね」
かわいいなぁ。
ちょっと前まで「ママうざい」とか言ってたくせに、こっそり手紙書いてくれてたのか…。
たった三行なのに、妙に泣きそうになる。
その瞬間だった。
隣で1歳児が、コップをガシッとつかんで――
麦茶を、ドバァァァーーーーー。
息子の手紙、びっしょびしょ。
そして私の膝も、びっしょびしょ。
現実回帰、秒。
祝われてる感ゼロの母の日
とりあえず手紙を拭きながら、笑うしかなかった。
1歳児は何も悪びれず、麦茶の入ってたコップで机を叩いてご機嫌。
小6の息子は「えー最悪〜」と拭くのを手伝いもせず、自分の席に戻ってゲーム。
うん、これが我が家の“ありがとう”。
お昼ごはんはインスタントラーメンにした。
「母の日くらい楽させてもらっていいよね」って思ったのに、息子のひとこと。
「え、またラーメン?昨日も食べたよ?」
ああ、そうですか。
ありがとうは3時間しか保たないんですか。

“いつも怒ってるママ”の正体
「ママって、なんかいつも怒ってるよね」って最近よく言われる。
正直そのたびに思うんだよ。
“あんたらが怒らせてんねん”
怒りたくて怒ってるわけじゃない。
コップを倒す人、文句だけ言って片付けない人、なんなら散らかして寝る人。
全員、私の身内。
母の日に限らず、日常ってそんなもん。
それでもちょっとだけ、救われた
夜、びしょ濡れになった手紙をこっそり乾かしていたら、息子がボソッと一言。
「…あの手紙さ、ほんとは“怒らないで”って書こうか迷った」
なんか、泣けた。
喋れない1歳児は、私の顔を見て、にこっと笑った。
無言だけど、麦茶事件は許してってことかもしれない。
“ありがとう”って、ほんとは言葉だけじゃ足りないくらい重たいんだなって思った。
明日も怒ると思うけど、それでもいいよね
ありがとうって言われる日は、どうしてこんなにバタバタするんだろう。
でもまあ、麦茶ぶちまけられても、手紙びしょびしょでも、
なんだかんだ、ちゃんと記憶に残る日になった。
明日も怒ると思う。
でも、あの手紙があったから、この日の私はちょっとだけ優しかった。

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