「育児って幸せだよね?」の笑顔に、言葉が詰まった日

「社会と家庭のズレに切り込む」

幸せだよ。だけど、それだけじゃない

ある日、知り合いに言われた。

「育児って、幸せだよね?」

にっこり笑って、まるで正解を聞くように。
私はつい、作り笑いで返してしまった。

「うん、まあ…うん」

それが本音じゃないことくらい、自分が一番わかってる。


育児=愛と感謝に包まれてる?誰が決めたの

“育児は尊い”“子どもは宝物”“家族って最高”
そんな言葉で溢れてる今の時代。

もちろん、それが嘘だとは思わない。
でも、その言葉に“そうじゃない瞬間”を否定される気がして、苦しくなる。



毎日怒鳴って、謝って、泣いて、また起きる

子どもは確かにかわいい。
でも、寝ない日もある。言うこと聞かない日もある。
何より、自分が限界な日がある。

それでも「育児=幸せ」という前提の中では、
“しんどい”って言った瞬間に、母としての価値が下がる気がする

「じゃあ育てなきゃよかったの?」なんて、
誰かの心の声が聞こえた気がして、何も言えなくなる。


笑顔で「育児って幸せ」って言うあの人も、たぶん一人になったら泣いてる

だからこそ思う。
あの笑顔でそう言った知人も、本当は泣きたい日があるんじゃないか。

「大変なこともあるけど、幸せだよね!」って自分に言い聞かせてるのかもしれない。
それを他人にぶつけて、「ね、そうだよね?」って確認したくなるのかもしれない。



私は、しんどいって言ってもいいと思う

育児は、尊い。
でも、育児は、孤独だ。

そして、しんどい時に「しんどい」と言える環境がない社会は、やっぱりおかしいと思う。

笑顔で「幸せだよね?」と聞かれて、黙ってしまった自分。
でもその沈黙の中に、ちゃんと“生きた言葉”があった気がする。

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